もらうのはうれしい年賀状ですが、毎年たまっていきますし、繰り返し見るものでもありません。「いつまで保管すればいいの?」「処分をしたらダメなの?」と疑問に思った経験はないでしょうか。そこでこの記事では、もらった年賀状の処分について詳しく解説します。

正しい年賀状の処分方法を紹介!意外と忘れがちな〇〇〇に要注意!

【1】年賀状を処分する時期に決まりはあるの?

年賀状は、旧年中にお世話になった方への感謝の気持ちを表し、新年も変わらないお付き合いをするために送り合うものです。そのため、年賀状には旧年の出来事が書いてあったり、新年に向けての思いが書かれていたりしますので、送ってくれた相手の気持ちを考えるのであれば、捨てずに保管しておくことが望ましいでしょう。

しかし、あまり大量になると保管スペースの問題がありますから、処分する人も少なくありません。また、「断捨離」の考え方に従って、過去にとらわれない生き方をするために年賀状を処分するという方も増えてきているようです。

ただ、本来的には、年賀状にはマナーはあっても、決まり事はありません。そのため、ずっと保管しないといけないわけでもありませんし、処分してはいけないというルールもありません。それぞれの事情で判断されるといいでしょう。なお、次の年に年賀状を送る際に見返す可能性もありますから、処分する場合であっても1年程度は保管しておくと便利です。

【2】郵便局には年賀状を処分してくれる回収箱がある?

年賀状を自分で処分するのが面倒だったり、気が引けてしまったりする方もいるのではないでしょうか。「郵便局では、使用済みの年賀状を回収してくれないの?」と思った人もいるでしょう。

以前は、「使用済みはがきの回収箱」が郵便局に設置されていたこともありましたが、現在では年賀状を回収して処分するようなサービスは行われていません。処分目的のために不要な年賀状を郵便局に持っていかないようにしましょう。

郵便局ではありませんが、ローソンが展開している「ナチュラルローソン」では、社会貢献活動の1つとして「個人情報書類回収BOX」が一部の店舗に設置されており、年賀状の処分に利用することもできます。通常、燃やせるゴミとして処理される郵便物やDM、クレジットカードの利用明細などの個人情報を含む印刷物を、ナチュラルローソンでは「個人情報書類回収BOX」で回収してトイレットペーパーなどに再利用しているのです。

ナチュラルローソンは現在、東京都や神奈川県、千葉県など首都圏を中心に展開していますが、その中でも「個人情報書類回収BOX」が設置されているのは一部の店舗だけのようです。お近くにナチュラルローソンがあれば、「個人情報書類回収BOX」が設置されているか、確認してみるとよいでしょう。

【3】年賀状は処分せずに、資源としてリサイクルできる?

年賀状は紙でできていますから、使用済みの年賀状は再生紙としてリサイクルすることができます。自治体の古紙回収の日、資源ゴミの日などに回収してもらいましょう。

正しい年賀状の処分方法を紹介!意外と忘れがちな〇〇〇に要注意!

使用済みではなく、多く買いすぎて未使用のまま余っている年賀はがきや、失敗(いわゆる書き損じ)してしまった年賀はがきは、郵便局で通常の切手、通常はがき、往復はがきなどと交換してもらうことが可能です。郵便局では、回収したこれらの年賀はがきをリサイクルして再生紙として使用しているようです。この場合の交換には、1枚につき手数料5円が必要となります。

ただし、送られてきた年賀状、つまり使用済みの年賀状は書き損じではありませんので交換には応じてもらえません。年賀状は消印がないケースもあり、見た目は使用前か使用済みか分かりませんが、郵便物にはすべて見えないインクでバーコードが印字してあります。このバーコードは本来、区分機で郵便番号や宛名などを読み取るためのものですが、使用済みの年賀状を書き損じと偽って持ち込んでも、このバーコードによってすぐに分かってしまいます。

また、郵便局では年賀はがきの販売期間中であれば、別のタイプの年賀はがきへの無料交換(たとえば無地からインクジェット紙に交換など)や、近親者の不幸によって使えなくなった年賀はがきの通常切手やはがきなどへの無料交換にも応じてもらえます。それぞれに交換できる条件がありますので、お近くの郵便局におたずねください。

【4】年賀状を家庭で処分。その正しい仕方は?

年賀状を家庭で処分するにはどういった方法があるのでしょうか? 一番簡単なのは、「可燃ゴミ」の日に出すことです。また、前述したように自治体の古紙回収の日、資源ゴミの日などに回収してもらうのもいいでしょう。

ただし、意外と忘れがちですが、年賀状には個人情報がたくさん書かれている点に注意が必要です。誰かに見られて個人情報が悪用されては相手に迷惑がかかりますから、処分する際はきちんと個人情報を処理するようにしましょう。

年賀状の個人情報を処理する方法には、次の3つがあります。

クラフトテープなどで固定する

年賀状を可燃ゴミや資源ゴミとして処分する場合は、個人情報が分からないように何枚も重ねてクラフトテープなどでしっかりと固定するといいでしょう。30~50枚を束にして、年賀状であることが分からないくらいにグルグル巻きにすれば、悪用される危険性を減らすことができます。似た方法として、瞬間接着剤を用いて固定する方法もあります。

シュレッダーにかける

個人情報が分からないように年賀状をハサミで切り刻んでもいいのですが、やはり時間と労力がかかります。そこで便利なのが、家庭用のシュレッダーです。シュレッダーは、安いものであれば1000円前後から売っています。枚数が多かったり、写真を使った厚みのある年賀状が多かったりする場合は、値段は上がりますが電動のシュレッダーも検討してみましょう。年賀状だけではなく、クレジットカードの利用明細などを処分する際にも活躍してくれます。

個人情報保護スタンプを活用する

年賀状に記載されている個人情報といえば、住所や名前、電話番号、メールアドレスなどですが、これらの上から押すだけで簡単に個人情報が消せるスタンプがあります。個人情報保護スタンプには小さいものから大きいものまであり、また、ローラー式になっていて一気に広い範囲を消せるスタンプも登場しています。価格も安いものでは100円前後からあります。ダンボールに貼付された宅配便の送付状を消す際にも役立ちますので、オンラインショッピングをすることが多い方は、この機会に購入するのもいいでしょう。

いずれの方法をとる場合でも、年賀状を処分する際は、送り主から寄せられた個人的な情報が悪用されないようしっかりと責任を持ちましょう。

なお、神社で行われる「左義長(どんど焼き)」などの行事で年賀状を燃やして処分する方もいるようですが、年賀状の持ち込みを認めていない神社も数多くあります。それぞれの神社のルールをしっかり守りましょう。

まとめ

年賀状を処分する場合には、送ってくれた相手のことを考えて、個人情報を漏らさないように正しい方法で処分しましょう。もし、思い出をとっておきたい場合には、処分前に年賀状を撮影したりスキャナーでデータ化したりしておくことで、年賀状自体はなくなっても思い出を長く保管することができます。