年賀状で結婚報告をするのは、礼儀として正しいのでしょうか?また、一体どこまでの間柄ならば年賀状で結婚報告をしてよいのでしょうか?
文例や写真の有無についてだけではなく、結婚式前や喪中など、シチュエーションごとに合わせた「結婚報告を年賀状でする時のマナー」を5点ご紹介します。

結婚報告を年賀状でする時のマナー5選!

【1】年賀状で結婚報告するのは、友人まで!

年賀状で結婚報告をすること自体は、マナーとして問題ありません。ただし、送る相手は友人までにしておきましょう。
「結婚式に参列してくれた方」「事情があって参列できなかった方」「結婚式には招待できなかったけれど、お祝いをくれた方」など、さまざまな友人・知人がいると思います。なかには「何年も会っていない方」もいるでしょう。年賀状の結婚報告に関しては、親類・友人・知人であれば、誰に送っても構いません。

年賀状は何かと忙しくて結婚報告が遅れてしまった友人にも、結婚報告できる良い機会です。しばらく音信不通だった友人でも、年賀状ならば当たり障りなく伝えることができます。

また、年賀状だけのお付き合いをしている方にも、年賀状で結婚報告するとよいでしょう。お世話になった相手ならば、なかなか会いに行けない事情を察してくれるはずです。手紙でも結婚報告を伝えることはできます。しかし、普段から年賀状でやり取りしているのであれば、年賀状で結婚報告をしても差し支えありません。

ただし、上司に年賀状で結婚報告をすることは失礼にあたるので、注意してください。本来、結婚報告のはがきは「入籍・結婚式の1~2カ月後」に出すのがマナーです。年賀状で結婚報告をすると、相手によっては「新年のあいさつのついでに報告されている」と誤解される可能性があります。ビジネスの場でお会いする方には、特にマナーに気を配りましょう。

【2】年賀状で結婚報告するときに役立つ、文例集

結婚式に参列してくれた友人ならば、

「先日は私たちの披露宴にご出席いただき、誠にありがとうございました。今後も皆様の祝福を忘れることなく、ふたりで明るい家庭を築き上げたいと思います」

と、感謝の気持ちを伝えましょう。また、

「二人で過ごす初めてのお正月を迎えました。未熟な二人ですが、今後とも末永くよろしくお願いいたします」

という内容であれば、年賀状ならではの結婚報告になります。
結婚式に参列できなかった友人には、

「昨年○月△日、私たちは結婚いたしました。これからは二人で力を合わせて、明るい家庭を築いてまいります。今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします」

など、結婚した日にちを伝えたうえで結婚報告をしましょう。何年も会っていない友人や、年賀状だけのお付き合いをしている方にも同様です。

仲人に向けてならば

「昨年は大変お世話になりました。誠にありがとうございます」

と、格別な感謝の一言を入れましょう。親戚に向けてならば

「ご厚情に深く感謝申し上げます」

のように、親しい間柄への感謝の気持ちを伝えることが大切です。ご厚情とは、相手を思いやる心のことです。
気を付けなければいけないのが、「縁起の悪い言葉」を使わないことです。例えば、去年には「去る」という漢字が入っているため、「昨年」や「旧年」を使用します。ほかにも、「枯れる」「衰える」「破れる」「失う」「倒れる」「滅びる」が入る漢字は、別の言葉に言い換えるようにしましょう。

「重複表現」を使わないことも大切です。「昨年○月△日、私たちは結婚いたしました」と書いたら、年賀状の冒頭のあいさつは「新春」にしましょう。新春は「新しい年」という意味です。賀正には「正月を祝う」、謹賀新年には「謹んで新年をお祝い申し上げます」の意味があります。
賀正や謹賀新年の後に結婚報告をしても間違いではありませんが、お祝いに関するメッセージが重複しないように気を付けてください。「明けましておめでとうございます」という一言を入れるかどうかは、差し出す相手によって使い分けましょう。

【3】写真ってどうすればいいの?年賀状で結婚報告するときの決め手!

年賀状で結婚報告をする際は、できれば写真を入れたほうがいいとされています。親戚であれば、2人の顔がよく写っている写真を選んでください。素敵な風景に囲まれている、遠くからのツーショットでも悪くはありません。しかし、親戚は家族同然の間柄のため、より顔がはっきり見える写真を送りたいところです。

友人であれば、2人の仲の良さが伝わる楽しそうな写真を選んでみてはいかがでしょうか。結婚式に参列してくれた方の場合、結婚式の写真を選ぶと、相手にとっても思い出の1枚になるでしょう。

結婚式に参列できなかった方に送る場合は、新婚旅行の写真が好まれます。相手のことを考えると、行けなかった罪悪感のある結婚式よりも旅行の写真のほうが無難であり、見ていて楽しい雰囲気が伝わるでしょう。事前に年賀状で写真を送っていれば、次会ったときの話題になるはずです。

年賀状に必ずしも、写真入れないとダメというわけではありません。何年も連絡を取っていない方の場合、急に写真入りの年賀状が送られてきても身構えてしまう人がいます。文面だけにするか、干支のイラストが入った例年の年賀状を使用する気遣いも大切です。普段年賀状だけのやり取りをしている方に送る場合、その人との関係性によって写真の有無を決めましょう。

写真の枚数などには、特にマナーや決まりはありません。しかし何枚も入れてしまうと、乱雑な印象を与えてしまいます。大きな写真を1枚か、小さな写真を2~3枚にしておきましょう。また、「キスをしている写真」や「お姫様だっこをしている写真」は、見る人によっては不快な気持ちにさせる恐れがあります。誰に送るのかを考えて、慎重に写真を選びましょう。

【4】結婚式前の場合、年賀状の結婚報告はどうするの?

「籍は入れたものの、結婚式はまだまだ先」という方もいまの時代、大勢いらっしゃいます。その場合はどうしたらいいでしょう。
この場合でも、年賀状で結婚報告しても問題ありません。年賀状には、
「○月△日に入籍しました」
と書きましょう。差出人を書く際、新しい苗字の連名にすることも大切です。

結婚報告を年賀状でする時のマナー5選!

また、挙式の予定日も書いておきましょう。これは結婚式に招待した方でも、招待できなかった方でも同様です。結婚式に招待する方ならば、

「□月×日に、結婚式でお会いできるのを楽しみにしています」

と書くと好印象です。結婚式に招待していない方の場合、

「□月に挙式いたします」

と一言だけ伝えましょう。結婚式について触れないと、「遠慮して伝えないのかな?」と心配になる方もいます。

写真に関しては、入れる必要はありません。結婚式を行う前なので、選ぶ写真も限られてしまいます。2人のことをよく知っている友人であれば、プライベートの写真を載せてみてもいいでしょう。それ以外の方であれば、「文面のみ」か「干支のイラスト付き年賀状」で結婚報告をしても構いません。

【5】喪中の場合、年賀状で結婚報告をするのは厳禁!

年賀状の結婚報告で一番気を付けなければいけないのが、喪中の際のマナーです。身内の不幸があったときは、結婚報告は厳禁です。できれば年賀状受付開始時期の12月15日までに、喪中はがきを出しましょう。その後、松の内が過ぎた頃から立春までの間に、寒中見舞いとして結婚報告はがきを出すといいでしょう。

松の内とは「正月の門松を飾っておく期間」であり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までです。立春とは「節分の翌日」です。地方によって異なりますが、一般的には1月8日~2月4日に「寒中見舞いを兼ねた結婚報告」を行います。「寒中お見舞い申し上げます」の後に、

「○月△日に結婚しました。これからもどうぞよろしくお願いいたします」

と書きます。

年末ギリギリに身内の不幸が起きた場合、喪中はがきは不要です。年明けの1月7日を過ぎたら、改めて寒中見舞いはがきで結婚報告をしましょう。

まとめ

年賀状で結婚報告するのは、決して失礼なことではありません。大切なのは、相手が受け取ったときに嬉しくなる心配りです。写真があれば素敵な年賀状になりますが、無理に載せる必要もありません。

ただし、「上司への結婚報告」と「喪中の際のマナー」だけは十分に配慮をしましょう。上司に年賀状で結婚報告をしたり、喪中に結婚報告をしたりすると、非常識と思われてしまいます。「伝える」という姿勢は必要ですが、最低限の結婚報告マナーは覚えておきましょう。