掲載日:2020.10.15

年賀状じまい(終活年賀状)とは?書き方のポイントや文例を紹介

年賀状じまいという言葉をご存知でしょうか?年賀状のやり取りを辞退することを伝える最後の年賀状のことで、終活が流行してからは終活年賀状とも呼ばれています。

今回は年賀状じまいとは一体どういうものなのかという解説とともに、差し出す方も受け取る方も気持ちよく年賀状を終わらせるために気をつけたい書き方のポイントや、実際に使用できる文例を紹介します。

年賀状じまい(終活年賀状)とは ?

年賀状じまい(終活年賀状)とは ?

年賀状じまい(終活年賀状)とは、年賀状を辞退する事を伝える最後の年賀状を指します。

昨今終活が流行したことから、年賀状のやり取りを整理しようと考える方が増え 、それにしたがって終活年賀状も急増しました 。

最近では終活世代ではない40代~50代の中年層にも年賀状じまいの習慣が広がりつつあります。スマホの普及により、いつでも連絡が取れるようになったため、20代の若年層も年賀状からメールやSNSを通して年賀 にちなんだスタンプをそえた挨拶などに切り替える方が増加しました。

年賀状じまいの連絡は年賀状だけでなく、寒中見舞いや人生の節目となる退職、還暦や古希などきりの良い年齢の誕生日などに送ることもあります。

寒中見舞いで年賀状じまいの連絡をする場合は、1月7日までの松の内があけてから、2月4日の立春までに届くように投函します。目安としては1月末頃がおすすめです 。喪中で年賀状が出せなかった方には、寒中見舞いで連絡しましょう。

年賀状じまいのメリットは ?

年賀状じまいのメリットとしてあげられるのは、大きく3つです。

義理で増えていた人間関係や連絡先の整理ができる

普段まったく連絡をとらない知人や親戚など、年賀状の住所録に登録しているため毎年義理で送り合っていた人間関係や連絡先の整理をすることで、本当に大切にしたい人間関係が見直せます。

年賀状を作って送る手間や費用の節約になる

年賀状を作成することは忙しい年末の時期になると簡単なことではありません。

特に年齢が進むにつれて年賀状を書いて送る手間は負担になります。また、送り先が増えるほどかかる費用が大きくなるため、年賀状じまいをすることで手間や費用の節約ができます。

年賀状じまいをして新しい連絡手段に切り替えることで交友関係が復活する

年賀状じまいには年賀状以外の代替案を添えることがマナーです。メールやSNSなどの代替案をきっかけにして、年賀状だけで疎遠になっていた関係が再び密になって復活することがあります。

基本的な書き方のポイント

基本的な書き方のポイント

年賀状じまいは、文面によっては絶縁宣言と思われ、受け取った方を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。ここでは、書き方で気をつけたいポイントを紹介します。年賀状じまいの基本的な文面には、3つの要素があります。

■「年賀状じまい」文面の3つの構成要素

(1) 挨拶の文面

(2) 年賀状じまいの理由

(3) 代替案の提示

この3つを盛り込む理由とポイントをそれぞれ見ていきましょう。

お祝いの挨拶は丁寧に伝える

寒中見舞いなどで年賀状じまいを伝える時は、まずは普通の文面で挨拶を伝え近況の報告をするなど、年賀状じまいの連絡から切り出さないようにしましょう。

特に年賀状で年賀状じまいを伝える場合は、新年最初の挨拶として年賀状じまいを受け取ると気分が良くないという声もあります。そこで、まずはお祝いの挨拶を丁寧に伝えましょう。

年賀状じまいの理由を伝える

生活様式の変化や年齢など、年賀状じまいをする理由を簡潔に伝えます。理由を誤魔化す必要はありませんが、疎遠にしたいなどの誤解を招かないような文面を選ぶ必要はあります。

全員に出している旨や今後の付き合いは変わらないことを伝える

この点も年賀状じまいを送った相手との関係を壊さないために大切なポイントです。「皆様」や「どなた様」など、送り先全体に呼び掛ける言葉を使い、受け取った方だけでなく、年賀状を送った全員に年賀状じまいを伝えていることを文面に盛り込みましょう。

年賀状じまいは近年広がりつつある習慣ですが、まだ一般的とはいえないため、内容によっては絶縁宣言と取られてしまうこともあります。年賀状をやめるだけで、今後も付き合いを続けていきたい気持ちを伝えましょう。

辞めるタイミングを明確にする

定年退職の挨拶や寒中見舞いなど、年賀状以外で伝える場合は、いつから年賀状をやめるのかはっきり伝えましょう。

年賀状を用意し始める前に連絡が届くように送ると、相手も年賀状を書かずにすみます。

SNSやメールなどの代替案を提案する

年賀状をやめるからといって関係を終わらせるわけではないという意思表示の一つとして、SNSやメールなどの代替となる連絡手段を提案しましょう。

年賀状じまいの年齢と理由に沿った文例

年賀状じまいの年齢と理由に沿った文例

年賀状じまいをする年齢や理由、相手によって、送るべき文面は変わります。今回は世代別に、年賀状じまいの理由に沿った文例を紹介しましょう。

【年賀状じまいの文例】20代~30代の場合

時代の変化が理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。本年も昨年と同様よろしくおねがいします。

さて勝手ながら本年を最後として、皆様への年賀状を控えさせていただくこととなりました。
SNSを活用してネット上のコミュニケーションを活用し、より密に関係を築ければと思っております。

皆様とは今後も変わらず、SNSでお付き合いいただければ幸いです。
IDは以下のとおりです。

(以下略)
■ビジネスの方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も昨年同様、変わらずお引き立ていただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

さて誠に勝手ながら、本年を持ちましてどなた様とも年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
メールを活用してより密にコミュニケーションをもち、お客様のご期待に沿うよう一層邁進してまいりますので、何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

今後はメールにてご挨拶させていただければ幸いです。

家族で話し合った結果が理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。今年もどうぞよろしくおねがいします。

さて急なことではありますが、家族と相談した結果、来年からはどなた様とも年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。

今後はSNSにて皆さまへ近況報告やご挨拶をしますので、お手すきの際にでもご覧ください。

会社の方針が理由

■ビジネスの方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も昨年同様、変わらずお引き立ていただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

さて誠に勝手ながら、本年を持ちましてどなた様とも年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
社の方針として昨今の環境問題に対しCO2削減の一助とするべく、ペーパーレス化の推進の一環としてはがきによる年始のご挨拶を控えさせていただきたく、何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

今後はメールにてご挨拶させていただければ幸いです。

【年賀状じまいの文例】40代~50代の場合

時代の変化が理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。今年もどうぞよろしくおねがいいたします。

さて、SNS全盛の昨今、私も時流に乗って交流の場をSNSに移すことにいたしました。
そこで皆さまと今まで交わして参りました年賀状を、来年からはご遠慮させていただきたくお願いいたします。

最近では○○(SNS名)でのやり取りが中心になっていることもあり、今後は○○のメッセージでやり取りできればと思います。
IDは〇〇となっております。
■ビジネスの方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も昨年同様、変わらずお引き立ていただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

さて誠に勝手ながら、本年を持ちましてどなた様とも年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
社の方針としてはがきでの年始のご挨拶を控えさせていただきたく、何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

今後はメールや電話等でご連絡させて頂ければ幸いです。

他の連絡手段への変更希望が理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。

さて、本年で50歳を迎え、人生の折り返しとなりました。
つきましてはこれを機に、本年をもって年賀状でのご挨拶をご遠慮させていただきたく存じます。

勝手ながらご容赦いただければ幸いです。

来年からは、○○(メールやSNS)にて新年のご挨拶を申し上げます。
今後とも何卒かわらずお付き合いくださいますようお願いいたします。
■ビジネスの方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。

本年も何卒ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

さて、誠に勝手ではございますが、社の方針を受け、今後は新年のご挨拶を含む近況報告を○○(メールやSNSなど)でさせて頂くことといたしました。
弊社の勝手都合により恐縮ではございますが、何卒ご承知おき頂き、今後は○○(メールアドレスやSNSアカウント)までご連絡頂ければ幸いです。

【年賀状じまいの文例】60代の場合

定年退職や還暦を機とする理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。

人生100年時代と言われておりますが、私も今年で還暦を迎えることとなりました。
そこで大変恐縮でございますが、終活の一環として皆様への年賀状は今年で最後とさせていただく所存です。

誠に勝手ではございますが、今後も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。
■ビジネスの方向けの文例

あけましておめでとうございます。
昨年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

本年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。

さて私都合で大変恐縮ですが、本年をもって長年勤めた職場を定年退職する運びとなりましたので、皆様への毎年の年賀状は今年限りで失礼させて頂くことに致しました。
今後の新年のご挨拶や近況のご報告は○○(メールやSNS)でのご連絡とさせていただければ幸いです。

皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします

加齢で年賀状の作成が困難になったことが理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。

皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

還暦を過ぎて寄る年波により、最近では年賀状の作成が難しくなって参りました。
そのため、勝手ながら本年をもちまして皆様への新年のご挨拶を終了とさせて頂きます。

今後とも皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

【年賀状じまいの文例】70代の場合

古希、喜寿などの節目となる誕生日を機とする理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、私も齢重ねて○○(年齢)となり、そろそろ「終活」を意識する年齢に差しかかりました。
人生の節目ということで、年賀状によるご挨拶は本年を限りに最後とさせて頂きたく存じます。

ご無礼をどうぞお許しください。

今後も普段のお付き合いは変わらず電話やメール、SNSなどで頂戴できましたら幸いです。
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております。

(SNSのIDや電話番号、メールアドレスなどを記載)

加齢で年賀状の作成が困難なことが理由

■親しい方向けの文例

あけましておめでとうございます。

お変わりございませんでしょうか。
さて毎年頂いておりました年始のご挨拶ですが、私自身、高齢になりましたため、寄る年波には勝てず誠に勝手ながら本年をもちまして年頭のご挨拶状を失礼させていただきたく存じます。

長きに渡りまして皆様にはあたたかい賀状を賜り、ありがとうございました。
今後は電話などで連絡を取り合わせていただけましたら幸いです。

皆様のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます。

寒中見舞いで出す場合

寒中見舞いは松の内(1月7日)を過ぎてから立春(2月4日)までに出します。目安としては1月末までに投函しましょう。

今年から年賀状をやめる場合

■親しい方向けの文例

余寒お見舞い申し上げます。
お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

一身上の都合により、皆様への毎年の年賀状を今年限りで失礼させていただきたくことに致しました。
長年に渡りあたたかい賀状を賜りありがとうございます。

今後はメールや電話にてお付き合いをさせて頂ければ幸いです。
時節柄、お風邪など召されぬようご自愛ください。
■ビジネスの方向けの文例

寒中お見舞い申し上げます

これまで長きに渡りまして皆様とは年賀状でのご挨拶をさせて頂いておりましたが、時代の移り変わりもあり、誠に勝手ではございますが本年より失礼させていただきたく存じます。
なにとぞご了承いただきますようお願い申し上げます。

今後は電話やメール等で、より密にご連絡を取り合わせていただけましたら幸いです。

厳寒の折、くれぐれもご自愛なさいますようお祈り申し上げます。

来年から年賀状をやめたい場合

■親しい方向けの文例

寒中お見舞い申し上げます。

このたびはご丁寧な年賀状をいただきありがとうございました。
さて誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状による年始のご挨拶をどなた様に対しても控えさせていただくこととなりました。
今後は電話やメール等で連絡を取り合わせていただければ幸いです。

皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りしております。
■ビジネスの方向けの文例

寒中お見舞い申し上げます。

ご丁寧な年賀状を頂き、ありがとうございました。
皆様におかれましては良いお年を迎えられましたご様子、心からお喜び申し上げます。

誠に勝手ながら来年より、皆様への年始のご挨拶状を失礼させていただくことに致しました。
今後は電話やメール等でより密にご連絡を差し上げる所存です。

厳寒の折、くれぐれもご自愛なさいますようお祈り申し上げます。

年賀状じまいに使える!おすすめデザイン

年賀状じまいを伝える最後の年賀状や寒中見舞いであっても、相手の一年の幸せを祈るという年賀状の目的は変わりません。

一年の最初を祝うものなので、デザインも華やかなものが良いでしょう。

とはいえ、どんなデザインにしたら良いのか、イメージが沸かないかもしれません。そんな時にぜひご活用いただきたいのが、ブラザーが提供している年賀状・寒中見舞いのデザインです。

PNG形式の画像ファイルでダウンロードできるので、そのまま年賀はがきや通常のはがきに印刷するだけで、簡単に年賀状や寒中見舞いを作ることができます。

年賀状・寒中見舞いデザインのダウンロードはこちら

年賀状じまいは新しい関係の始まり

年賀状じまいは終活の一つとして注目を集めていますが、年賀状によるお付き合いを一旦整理することによって、新しい方法で連絡を取り合うきっかけにもなります。

寂しさを感じる挨拶ではありますが、はがきによる最後の大切なご挨拶として、年賀状や寒中見舞いを作ることは一つの節目にもなるでしょう。

年賀状じまいのデザインに悩んだ時は、ぜひブラザーのテンプレートをご活用ください。

※この記事の内容は、2020年10月現在のものです。
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