掲載日:2020.10.16
年始の挨拶である年賀状といえば、はがきを送ることが中心でしたが、近年ではメールやSNSアプリ経由で送ることも増えてきました。個人間はもちろん、企業間でも年賀はがきのやり取りを廃止し、メールに切り替えたところも少なくありません。
年賀状はそもそも、旧年の感謝と新年の挨拶と同時に、相手の一年の多幸を祈るために送るものなので、はがきという形にとらわれる必要はありません。
今回は年賀状をメールで送る場合に押さえておきたい基本的な知識や、件名、文面のマナーについて詳しく紹介していきます。
年賀状メールに関する知識やマナー
近年、連絡をとる際、インターネット上でのやり取りが当たり前になっていく中で、年賀状をはがきで送ることからメールで送ることに切り替える方が増えています。
特に企業では、はがきの年賀状は紙を多く消費することから、環境への配慮のためCO2削減につなげるペーパーレス化の一環として廃止したり、コスト削減として年賀状をメールで送るようになったりしてきました。
とはいえ、まだ年賀状をメールで送ることが一般的だと言えるほど浸透しているわけではありません。そのため、メールで送る場合は相手との距離感を意識して、失礼にならないよう気をつける必要があります。
特に取引先の相手に送る場合は、相手企業の年賀状の習慣を確認して年賀メールの他に別途はがきを用意するなど、柔軟に対応しましょう。
年賀状メールを送る際の4つのマナー
年末年始は誰でも多忙な時期です。そんな時期にやり取りをすることになる年賀状メールで気をつけたい4つのマナーについて紹介します。
【年賀状メールを送る際のマナー(1)】件名に年賀状メールであることを入れてわかりやすくする
メールの件名で、年賀メールであることをはっきりと伝えましょう。
特にビジネスでは、相手が正月明けにまとめてメールを見る可能性を考慮し、件名でどこから来た年賀メールなのかわかりやすく書きましょう。相手が迷惑メールと間違うような件名や、開かないと内容がわからないような件名は避けます。
■年賀状メール件名の例
「【名前】+あけましておめでとうございます」
「【社名】+新年のご挨拶」
「【社名】+年末のご挨拶と年末年始の休業日のお知らせ」
【年賀状メールを送る際のマナー(2)】メール本文には宛名を入れて個別に送る
同じ文面の年賀状メールを一括送信ツールやBCCで一斉送信すると、受け取る側には雑に扱われた印象を与えてしまいます。
ビジネスの場合は、送信相手の社名、部署名、役職、名前をメール本文の宛名に入れ、年内の感謝など個別に一行でも書き添えましょう。
【年賀状メールを送る際のマナー(3)】ファイルは添付しない
多忙な時期の年賀状メールにファイルを添付すると、相手に添付ファイルを開いて内容を確認してもらうことになり、少々負担をかけてしまいます。
また、取引先に対してはURLをクリックさせてグリーティングカードのページへ案内する年賀状メールも避けましょう。
何十通というメールを処理する時期であることを考慮して、できるだけ受け取る側の負担が軽減するように配慮することが大切です。
【年賀状メールを送る際のマナー(4)】機種依存文字(環境依存文字)は使わない
丸付きの数字を始めとする機種依存文字は、相手の環境によっては文字化けをしてしまいます。文字化けを起こすと文章の内容が正しく伝わらないことがあります。
年賀状メールに限らず、機種依存文字の使用は避けましょう。
年賀状をメールで送るメリット
年賀状をはがきからメールに切り替えることによって、年賀状のデザインや印刷、宛名の管理、投函などにかかる手間やコストを大幅に削減することができます。
また、企業間では使用しているシステムによっては予約配信機能を使用して指定の時間にメールを送ることができるので、相手の仕事初めのタイミングで年始の挨拶を届けることができます。
印刷物で面積が限られるはがきと比較すると、文章の長さや画像の種類などデザインの自由度も高くなるため、HTMLメールや無料テンプレート素材を使用して、より独自性の高い年賀状を作成することも可能です。
ビジネス年賀状:https://online.brother.co.jp/ot/dl/Contents/nenga/nenga_business/
また、アプリやオンラインサービスのメール配信を使用することで顧客管理ができるほか、開封率や年賀状に添えたURLからの訪問率など、年賀状メールの効果測定が可能なので、ビジネスに年賀状メールを活用できます。
はがきの方がいい?年賀状をメールで送るデメリット
メールはサーバーを通して送信されるため、一斉にメールがやり取りされる時間帯に送信すると混雑でエラーが発生し、送れないことがあります。
また、手にとって一枚ずつ見るはがきと異なり、大量にメールが届くタイミングだと一覧の中から年賀状メールを見落としてしまう可能性も少なくありません。
年賀状メールという習慣はまだ一般化されているとは言い難いため、受け取った相手は軽んじられたと感じてしまうこともあるかもしれません。
年末や年始の挨拶に使える!年賀状メールの文例
ここからは、年末年始の挨拶に使える年賀状メールの文例を紹介します。ビジネスメールでも、相手との関係によっては文面を変える必要があります。メールを送る時は取引先との関係性に注意して送りましょう。
【年賀状メールの文例 】年末の挨拶文例
年末の挨拶は、以下3つの要素を盛り込んだ内容で作成します。
・「今年一年のお礼」
・「新年のお付き合いをお願いする言葉」
・「相手への個別のメッセージ」
年末の挨拶文は、「本年はお世話になりました」や「本年は格別のご愛顧を」などの感謝の挨拶から始め、「来年もよろしくおねがいします」や「どうぞ良いお年をお過ごしください」などで締めるまでが基本的な流れです。
相手との関係によって「来年も変わらぬご愛顧の程をよろしくお願い申し上げます」や「来年も変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」など、丁寧な言葉を使う必要があります。
親しい個人間であれば一年間の思い出を振り返る文面を、取引先へのビジネスメールであれば一年の取引に対する感謝を添えるとよいでしょう。
【年賀状メールの文例 】取引先(社外)の方に送る例文
親しい間柄の場合
○○株式会社 ○○部
○○(役職名、敬称など)
いつも大変お世話になっております。
○○の○○です。
本年も大変お世話になりました。
何かとご迷惑をおかけする一年でしたが、○○さんのお力添えのおかげでなんとかこの年末も乗り切ることができました。
特に○○の件では(以下個別のメッセージ)
本当にありがとうございます。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
年始になりましたら、また改めてご挨拶させてください。
それではどうぞ良いお年をお過ごしください。
丁寧な対応が求められる場合
株式会社○○○○、○○部
○○(役職名、敬称など)
いつもお世話になっております。
○○の○○です。
いよいよ年の瀬も迫り、お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
○○様には本年一年に渡り格別のご愛顧を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
お陰様で(以下、個別のメッセージ)
来年も○○社員一同、ご満足頂けるサービスを心がけ、所存でございますので、何とぞ来る年も変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り致します。
※尚、年内は12月○日(○)○時までの営業となります。年始は1月○日(○)○時から通常通り営業を開始いたします。
【年賀状メールの文例 】社内の方に送る例文
親しい間柄の場合
○○の皆様へ
今年一年お世話になりました。
振り返れば色々なことがありましたが、この職場で無事一年を過ごせたのも皆様の支援のおかげです。
心から感謝しています。ありがとうございました。
来年もなにかとご迷惑をおかけするかもしれませんが、亀の歩みなりにがんばりますので、ご指導ご鞭撻をお願いします。
新年にまた元気な姿でお会いできることを楽しみにしています。
良いお年をお過ごしください。
丁寧な対応が求められる場合
○○の皆様へ
今年も残すところ、あと僅かとなりました。
若輩者が無事に一年を過ごせましたのも、ひとえに職場のみなさまのあたたかいご支援のおかげです。本年は誠にありがとうございました。
この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。
来年もまた精進してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻を頂けましたら幸いです。
それでは皆様、よいお年をお過ごしください。
【年賀状メールの文例 】英文で送る場合
正月が大きなイベントである日本と異なり、キリスト教圏ではクリスマスが年末の一大イベントです。そのため、あまり大げさにならないようさらりと伝えましょう。また、送るタイミングはクリスマス休暇明けなど、相手の習慣にあわせるとよいでしょう。
親しい間柄の場合
Merry Christmas and a Happy New Year!
I hope that 2021 finds you happy and successful.
(メリークリスマス、そして新年おめでとう!
2021年が貴方の幸せと成功につながることを願っています。)
丁寧な対応が求められる場合
I really appreciate your guidance last year.
We are grateful to have clients like you who are pleasuring to deal with, and we wish you a New Years as cheerful and happy as you are.
Best wishes for the holidays and New Year.
(昨年は本当にご指導いただきましてありがとうございました。
皆様のように気持ちよくお付き合いできるクライアント様がいることに感謝し、皆様のように明るく幸せな新年を迎えられますようお祈り申し上げます。
年末年始もよろしくお願いします。)
【年賀状メールの文例 】年始の挨拶文例
年始の挨拶文は、「昨年はお世話になりました」や「昨年は格別のご愛顧を」などの感謝の挨拶から始め、「今年もよろしくおねがいします」や「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」などで締めるまでが基本的な流れです。
年始の挨拶は、以下4つの要素を盛り込んだ内容で作成します。
・「新年のお祝い」
・「昨年お世話になったことへのお礼」
・「今年も引き続きお付き合いをお願いする言葉」
・「相手への個別のメッセージ」
受取人や取引先との関係性によっては、賀詞(がし)に注意しましょう。目上の方には4文字の賀詞を、親しい方や目下の方には2文字の賀詞を使用することが一般的です。
賀詞についての詳しい説明は こちら をご覧ください。
相手との関係によって「今年も変わらぬご愛顧の程をよろしくお願い申し上げます」や「今年も変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」など、丁寧な言葉を使うようにしましょう。
【年賀状メールの文例 】取引先(社外)の方に送る例文
親しい間柄の場合
○○株式会社 ○○部
○○(役職名、敬称など)
あけましておめでとうございます。
○○の○○です。
昨年はなにかとお世話になりました。
○○様のおかげでこうして無事新年を迎え、心新たに頑張ってまいりますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年は○月○日から平常営業とさせて頂きます。
令和○○年 元旦
丁寧な対応が求められる場合
○○株式会社 ○○部
○○(役職名、敬称など)
謹んで新春をお祝い申し上げます。
○○の○○です。
旧年は格別のご愛顧を頂き、誠にありがとうございました。
本年も○○社員一同、○○様にご満足頂けるサービスを心がけ、所存でございますので、 何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、お願い申し上げます。
メールにて恐縮ですが、貴社益々のご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
新年は○月○日から平常営業とさせて頂きます。
令和○○年 元旦
【年賀状メールの文例 】社内の方に送る例文
親しい間柄の場合
皆様
あけましておめでとうございます。
○○部の○○です。
昨年は大変お世話になり、ありがとうございます。
亀の歩みながら気を引き締めて精進してまいりますので、今年も引き続き一層のご指導、ご鞭撻をいただければ幸いです。
本年もどうぞよろしくおねがいします。
丁寧な対応が求められる場合
関係者各位
明けましておめでとうございます。
年末年始はゆっくり静養されたことと存じます。
昨年は皆様に大変お世話になりました。皆様の多大なご協力とあたたかいご支援を受け、無事に新しい一年を迎え、心より深く感謝しております。
引き続き本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
【年賀状メールの文例 】英文で送る場合
年賀状メールという習慣はキリスト教圏にはありません。そのため、新年のメッセージは通常のメールの冒頭や文末に挿入します。
個人間のメールでも、ビジネスメールでも文面に特に大きな違いはありません。新年を祝い、今年も引き続き関係を続けたいことを伝え、良い一年になることを祈ります。
▼冒頭に入れるフレーズ
A Happy New Year!
Thank you for your support this year.
(新年おめでとう!今年もよろしくおねがいします。)
▼本文パート
相手に向けていつも通りの連絡として用意してください。
▼文末に入れるフレーズ
May this be a happy and fruitful year.
(今年も幸せで実り多い一年でありますように。)
新年の挨拶はメールと年賀状を使い分けて送りましょう
年賀状メールははがきに比べてまだ新しい習慣ですが、環境への配慮やコスト削減、年賀状作成の手間の軽減など、様々な理由とともにインターネットの普及にあわせて今後も広がっていくでしょう。
新年の挨拶がはがきからメールに変わっても、込められた一年の感謝と今後も変わらない付き合いをしたい気持ちを伝え、相手の一年の幸せを祈る気持ちは変わりません。
マナーをおさえ、お互いに気持の良い一年のスタートを切りたいですね。
※この記事の内容は、2020年10月現在のものです。
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