上司や親戚宛ての年賀状で使える挨拶文例4選

「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて送る年賀状。気の利いた挨拶を添えると、グッと相手の印象に残りやすくなります。この記事では、上司や親戚の方への年賀状に書きたい挨拶をご紹介します。適切なひと言を選んで、気持ちよく1年をスタートさせましょう。

年賀状の挨拶文はどう書いたらいい? 基本的な書き方とマナー

年賀状の挨拶文はどう書いたらいい? 基本的な書き方とマナー

年賀状の文章には「型」があり、ポイントを押さえればきちんと仕上がります。また、普段からお世話になっている上司やしばらく会っていない親戚へ送るなら、書き方のマナーにも気を付けたいものです。

ここからは、年賀状の基本的な書き方やマナーについて詳しく紹介します。

年賀状の文章の基本的な流れ

まず、年賀状の文章の基本的な流れは、以下のとおりです。

  • 1.新年の挨拶(賀詞)
  • 2.昨年のお礼
  • 3.新年のお付き合いのお願い
  • 4.相手を思いやる添え書き
  • 5.年号・月日

このように、年賀状は新年の挨拶から始まり、昨年お世話になったことのお礼や新年における継続的な親交のお願い、相手を思いやる言葉など、5つの要素で構成されています。各項目の詳細をチェックしていきましょう。

・新年の挨拶(賀詞)
年賀状の冒頭に書く新年の挨拶を「賀詞」といい、新しい年を祝う言葉として用いられます。代表例には「謹賀新年」「明けましておめでとうございます」などが挙げられますが、あとに続く文字よりも大きめに書くのが基本です。

・昨年のお礼
旧年中の感謝や日頃のお付き合いに対するお礼を書きます。会う頻度の少ない方に対しては、自身の近況報告を追記してもよいでしょう。その場合、病気やトラブルといった相手に心配を抱かせるような言葉は避け、明るい話題を選んでください。

・新年のお付き合いのお願い
今後も変わらぬ親しいお付き合いや、ご指導をお願いする言葉を書きます。「今年もよろしくお願いいたします」「本年も変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます」など、送り先に応じて表現を変えるのがよいでしょう。

・相手を思いやる添え書き
相手の健康や幸福など、心のこもった添え書きがあると好印象につながります。短くまとめるのが基本ですが「お体を大切にしてくださいね」「お子さんの成長が楽しみですね」といったプライベートな部分に触れると、より相手の心に残りやすくなります。

・年号・月日
あと付けとして、新年の年号と日付を「令和○○年元旦」「20××年1月1日」と書きます。このとき、年号は西暦と和暦どちらでも構いませんが、年賀状が1月1日の朝に相手へ届かない場合は「元旦」と書かないよう注意しましょう。1日に届かない可能性がある場合、日付は「1月」までで止めておけば問題ありません。

年賀状の文章でNGとされる4つのポイント

次に、年賀状でNGとされる以下4つのポイントも押さえておきましょう。

  • 2文字以下の賀詞は使わない
  • 忌み言葉を使わない
  • 句読点を使わない
  • 意味が重複する表現を使わない

それぞれの詳細を見ていきます。

・2文字以下の賀詞は使わない
賀詞のなかでも「迎春」「賀正」「寿」といった2文字以下のものには、相手への敬意を示す言葉が含まれていません。そのため、目上の人には使わないよう注意しましょう。相手を選ばない賀詞であれば「謹賀新年」「恭賀新年」や「謹んで新年をお慶び申し上げます」「明けましておめでとうございます」などの表現がおすすめです。

・忌み言葉を使わない
「忌み言葉(いみことば)」とは「別れる」「乱れる」「倒れる」「失う」といったマイナスをイメージさせる言葉をいい、新年を祝う年賀状では使わないのがマナーです。なかでも、昨年のことは「去年」と表現しないよう注意してください。「去」という漢字には「離れる・別れる」といった意味が含まれます。相手に失礼がないようにするには「昨年」「旧年」と表現を変えて書くのがよいでしょう。

・句読点を使わない
「、」「。」といった句読点は「区切り」を目的に使われることから、縁起事にまつわる文章にはふさわしくないとされています。そのため、年賀状で一文が長くなる場合、改行やスペースをうまく使いながら相手が読みやすくなるよう工夫を施すことが大切です。

・意味が重複する表現を使わない
年賀状では言葉の表現方法が違っていても、意味の重複が生じるケースがあります。例えば、賀詞で「新年あけましておめでとうございます」とするのはNGです。ここでは、年明けを意味する「新年」が、それに続く「あけまして」に重複しています。その他「20××年1月1日 元旦」も同様に、1月1日の朝を意味する「元旦」が重複となります。

これらの問題を解決するには「明けましておめでとうございます」「20××年 元旦」とするのがよいでしょう。

このように、毎年何気なく書いている年賀状にもさまざまなマナーがあります。送る相手にふさわしい言葉を使い、失礼がないようにするためにも、ポイントを押さえた年賀状作りを心がけましょう。

ケース1:上司や会社関係者に送る年賀状の挨拶例文

ケース1:上司や会社関係者に送る年賀状の挨拶例文

それでは、具体的に年賀状に添えるメッセージを考えていきましょう。まずは、上司や同僚、取引先などの仕事関係者に送る年賀状に適した挨拶文をご紹介します。

年配の上司に対して

昨年の指導に対するお礼や、仕事に対する意気込みを伝えましょう。

  • ・「昨年ご指導頂きました経験をもとに 今年はさらなる飛躍を遂げたいと思っております」
  • ・「本年もご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い致します」

先輩・親しい上司に対して

「一緒に仕事を頑張ります」という意気込みを感じる言葉が好まれます。プライベートでお付き合いがある場合には、その点にも触れて日頃の感謝を伝えましょう。

  • ・「未熟者ですが ○○さんを見習いながら さらに精進してまいる決意です」
  • ・「新しい部署に移り右も左も分からない私に 親身なご指導をして頂き ありがとうございました」
  • ・「○○の際は 楽しい時間を過ごさせて頂き ありがとうございました」
  • ・「今年は飛躍の年にできるよう頑張ります!」

同僚に対して

同じ目線で共に高めあっていけるように、励ましの言葉を添えましょう。

  • ・「昨年は大変お世話になりました 今年もお互い素敵な一年になるといいですね」
  • ・「今年もお互いにとって ますます良い一年になりますように!」
  • ・「本年も新たな気持ちで頑張りましょう」

部下に対して

日頃の努力をきちんと見ていることや、感謝していることを伝えましょう。

  • ・「昨年はご苦労様でした 大変な仕事も頑張ってくれて 私を含めて皆が感謝しています 今年もよろしくお願い致します」
  • ・「昨年中は共に○○部を支えてくれてありがとう 今年も○○君のさらなる飛躍を期待しています」

取引先に対して

取引先への年賀状の場合、文面が多くの人の目に触れる機会があります。そのため、具体的な仕事内容については触れずに、日頃の感謝と今後のお付き合いのお願いを伝えるのがマナーです。

  • ・「旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます 今後とも何卒よろしくお願い致します」
  • ・「旧年中はひとかたならぬご高配を賜り 誠にありがとうございました 貴社のさらなるご繁栄を心からお祈り申し上げます」

どのケースでも、印刷された挨拶文と手書きメッセージとで意味が重複しないように注意しましょう。どうしても手書きで強調したい場合は、印刷の文章に入れずにあとから手書きで書き添えるといいでしょう。

ケース2:親戚に送る年賀状の堅苦しくない挨拶例文

ケース2:親戚に送る年賀状の堅苦しくない挨拶例文

親族や祖父母に年賀状を送ることもあるでしょう。この場合は、目上の人とはいえ親戚のため、親しみを込めて、あまり堅苦しくなりすぎないようにしましょう。

以下の例のように、丁寧な言葉で安否を伺ったり、こちらの近況を伝えたりする言葉を選ぶと好印象を与えられます。

  • ・「ご無沙汰しております お変わりなくお過ごしですか」
  • ・「今年は家族でお会いできることを楽しみにしています」
  • ・「お陰様で こちらは家族一同元気に新しい年を迎えております」
  • ・「寒い日が続きますが 風邪には注意してください」
  • ・「お体を大切にしてくださいね」

ケース3:年賀状で結婚・出産の報告をするときの挨拶例文

年賀状で結婚・出産の報告をするときの挨拶例文

最近は、結婚や出産の報告を年賀状で行うケースも多くなってきました。しかし、そんな年賀状こそ受け取る側にマナーをチェックされている場合があります。年賀状はあくまでも新年を祝う気持ちや昨年のお礼、新年の抱負や挨拶を伝えるものです。一方的な報告をメインにしては、相手にマイナスイメージを与えかねませんので注意しましょう。

結婚報告

結婚式に出席してくれた人には、式の写真やお礼の文章を添えて報告します。一方、結婚式を知らない人に出す場合は写真を入れずに一般的な挨拶をメインとし、手書きで結婚の報告を添えます。

  • ・(結婚を報告済みの人へ)「二人で迎える 初めてのお正月です 良い年になるよう 手を取り合って頑張りたいと思います」
  • ・(結婚を報告していない人へ)「ご報告が遅くなりましたが 昨年入籍し 新しい住所に転居致しました 今後とも末永くご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます」

出産報告

出産の報告を第一とした年賀状を送ると、相手によっては良い印象を持たれないことがあります。赤ちゃんをなかなか授からずに悩む方もいますから、親しい友人であっても出産に関する話題はシンプルな一文にとどめましょう。また、会社関係の場合は仕事と認識して、赤ちゃんの写真付き年賀状は控えることがマナーです。

  • ・「このたび○月○日に 元気な男の子(女の子)が家族に加わりました」
  • ・「ご報告が遅くなりましたが 昨年我が家に新しい家族が生まれました」
  • ・(出産祝いをいただいた場合)「昨年は○○誕生の折に 温かいお心遣いを頂戴し 本当にありがとうございました」
  • ・(出産祝いをいただいた場合)「長男○○出産の折には結構なお祝いをいただき 誠にありがとうございました」

また、結婚や出産をした人に年賀状を送る場合には、

  • ・「昨年は素敵なお式にお招き頂き ありがとうございました お二人にとって幸多き一年になりますことを お祈り申し上げます」
  • ・「今年は可愛らしい笑顔を囲んで 今まで以上に にぎやかな新年をお迎えのことと存じます ご家族の皆様が 元気で幸せな一年になりますよう お祈り申し上げます」

などと、結婚や出産について年賀状のなかでも改めて触れましょう。

相手の状況や間柄に合わせて表現を変えたり、組み合わせて使ったりすることで、より心がこもった年賀状にすることができます。

ケース4:年賀状を英語で送る場合の挨拶例文

年賀状を英語で送る場合の挨拶例文

友人や会社関係者などで、英語を話す方と接することもあるでしょう。そういった場合、「Happy New Year」だけではなく、今年はちょっと気が利いた言い回しをしてみてはいかがでしょうか。

プライベートで

  • ・「Have a great new year!」(良い一年を!)
  • ・「I wish you a blissful year」(あなたにとって この上なく幸せな一年になるよう祈っています)
  • ・「Best wishes for a successful and wonderful year」(成功に満ちた素晴らしい一年になりますように)
  • ・「Cheers to new year!」(新しい年に乾杯!)

ビジネスで

  • ・「We wish your company the very best for continued success」(御社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます)
  • ・「Thank you very much for all of your help last year」(昨年は大変お世話になりました)
  • ・「I look forward to your continued good will in the coming year」(本年も どうぞよろしくお願い致します)

ケース5:コロナ禍で送る場合の挨拶例文

コロナ禍で送る場合の挨拶例文

いまだに収束のきざしが見えないコロナ禍においては、年賀状も相手の心情に寄り添ったひと言を添えたいものです。明るい未来を連想させる表現に配慮し、メッセージを書きましょう。

親戚へ

本来なら気兼ねなく会える親戚でも、コロナ禍で会う頻度が減ってしまった人もいるでしょう。この場合、相手への気遣いや再開を願う言葉を添えると、温もりを感じられるメッセージになります。

  • ・「感染症対策でなかなか帰省できていませんが 皆さんお元気にされていますか? またお会いできる日を楽しみにしています」
  • ・「おうち時間いかがお過ごしですか? 今度リモート新年会でもしましょう!」

勤め先・取引先へ

お世話になっている方に対しては、日頃の感謝を伝えるとともに日常の戻りを願う気持ちを丁寧につづりましょう。

  • ・「旧年中はお世話になり誠にありがとうございました テレワーク中でもいつもと変わらないご指導とご配慮に大変助けられました」
  • ・「新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念されています 一日も早い収束を願うとともに謹んで新年のご挨拶を申し上げます」

その他、末尾を「~しますように」として締めくくると、読後の印象がやわらかくなります。コロナ禍だからこそ、このようなちょっとしたメッセージにも気を配れると相手の胸にひびく年賀状になるでしょう。

まとめ

年賀状の手書きメッセージでは、短い一文が意外に難しいものです。しかし、ちょっとしたひと言を添えることで、年賀状がもらってうれしいものに変わります。マナーをしっかり押さえて、あなたらしいひと言で気持ちを伝えましょう。


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※この記事の内容は、2022年9月現在のものです。
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