心を込めて書いた年賀状は、きちんと元旦に相手のもとへ届けたいと考える方は多いでしょう。年賀状を元旦に届けるにはいつまでに出せばいいのでしょうか。今回は、郵便配達の仕組みにも触れながら、年賀状を元旦に届けるための方法をご紹介します。

元旦に届けたい!年賀状はいつまでに出したらセーフ!?

【1】年賀状を元旦に届けるにはいつまでに出すべき?

日本郵便は、年賀状を2017年の元旦に届けるためには、12月25日までに差し出すよう呼びかけています。この期日までに年賀状を出せば確実に元旦に届けてもらうことができますが、ここで注意しておきたいのは、最終日の25日中ならいつ投函してもいいわけではないという点です。

郵便物の集荷時刻は1日に数回あります。12月25日の最終集荷時刻を過ぎて投函したものは、26日分として集荷されるため、場合によっては元旦の配達に間に合わなくなるかもしれません。集荷時刻はポストに表示されていますので、お近くのポストの最終集荷時刻をあらかじめ確認しておきましょう。

また、年賀状の引き受けが始まると投函口が2つあるポストは、「年賀はがき(左側の投函口)」と「それ以外(右側の投函口)」に投函口が分けられます。これは、年末年始に投函される大量の年賀状と他の郵便物を効率的に仕分けるためです。郵便局でも確認作業は行われますが、右側の投函口に年賀はがきを投函してしまうと誤って通常の郵便物と同じように扱われる可能性がありますので、間違わないように気を付けましょう。

年賀はがきは集荷されると「引き受け局」と呼ばれる大きな郵便局に運ばれ、区分機という機械で文字を読み取って仕分けられて送り先の地域別に分けられます。そして、地域別に振り分けられた年賀はがきは、それぞれの地域にある「地域区分局」でさらに細かく住所別に分けられた上で、「配達局」で配達する順番に整理され、お正月に送り先へと届けられるのです。

このように、年賀状は長い時間と道のりをかけて運ばれるため、仕分け作業に時間がかかる以外にも、天候や交通事情が原因で配達が遅れてしまう場合があります。これが、余裕を持って12月25日までに投函したほうがいい理由です。

【2】年賀状を出すのが遅くなったときはどうすれば良い?

万が一、年賀状を出すのが12月25日の最終集荷に間に合わなくても、元旦に間に合わせる方法はまだいくつか残っています。

その1つが、「窓口に出す」という方法です。12月30日までに年賀状であることを伝えて郵便局の窓口で出せば、宛先が遠方でない限りは元旦に間に合う見込みがあります。

また、「配達日指定で送る」という方法もあります。郵便局の窓口で追加料金を支払って、配達日を1月1日に指定して年賀状を出すのです。この場合も、12月30日までに窓口に出す必要があります。なお、この方法でも天候や交通事情によっては遅れる可能性があります。また、年賀状に配達日指定のシールが貼られるため、配達日指定で出したことが受取人にも分かってしまうというデメリットがあります。

他には、「速達で送る」という方法もあります。年賀状を速達で出した場合、一般の郵便の速達と同等の日数で届きます。つまり、速達が翌日に届く距離であれば、大晦日に速達で出した年賀状は、翌日の元旦に届く確率が高いのです。

ただし、こちらも天候や交通事情によって配達が遅れる可能性や、遠方の場合には元旦に間に合わない可能性もありますので、確実な方法とは言えません。また、速達のデメリットとして、年賀状であっても消印が押されること、速達料金が発生すること、速達の赤線表示によって速達で出したことが受取人に分かってしまうことが挙げられます。

最後の手段として「直接相手の自宅のポストへ投函する」という方法もありますが、受取人の自宅まで行くことができる距離とは限りませんし、何人もの家に届けるのは現実的ではないでしょう。大晦日に慌てることなく気持ちよく新年を迎えるためにも、年賀状は余裕を持って出すようにしましょう。

【3】年賀状はいつまで出せるの?

どうしても忙しくて年賀状を出すのが年明けになってしまった場合や、出していない人から年賀状が届いた場合、いつまでなら年賀状を出せるのでしょうか。

元旦に届けたい!年賀状はいつまでに出したらセーフ!?

1月1日を過ぎても、1月7日までは「松の内」といって新年の挨拶をしてもいい期間とされています。そのため、7日までに届く場合は年賀状を送っても失礼にはあたりません。この場合、元旦に届かないわけですから、年賀状に「元旦」の文字は書きません。

もし、7日を過ぎてから届くと分かっている場合には、年賀状ではなく寒中見舞いを出しましょう。寒中見舞いは、年賀状を出すのが遅くなってしまった場合だけでなく、喪中の方への新年のご挨拶や、相手が喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合のお詫びとしても送ることがあります。

寒中見舞いという言葉は、松の内を過ぎてから立春までの間に使うことができますが、いただいた年賀状の返信として出す場合は遅くても1月中旬頃までには出すようにしましょう。

なお、松の内の期間は地域によって違いがあります。たとえば、関西では1月15日までとされており、同じ地域でも考え方の違いから日にちにずれがある場合もあります。そのため、7日を過ぎたからといって全国で松の内が明けたとはいえませんが、関東に合わせて1月7日以降は寒中見舞いを出すというのが現代の一般的な考え方のようです。

寒中見舞いを出す場合は、年賀はがきではなく普通はがきを使用し、新年を祝う挨拶の代わりに「寒中お見舞い申し上げます」と書きます。

その続きには、

  • ・寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか
  • ・私たちは皆元気に過ごしています
  • ・ご丁寧な年賀状をいただきながらご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません
  • ・新年のご挨拶が遅くなりましたことお詫び申し上げます

など、挨拶が遅れてしまったことのお詫びに加えて、相手の健康を気遣うひと言や、自分たちの近況報告を添えます。

そして、

  • ・昨年中は大変お世話になりありがとうございました
  • ・本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします
  • ・寒い日が続きますのでくれぐれもご自愛ください

などの文章で、まとめましょう。

【4】年賀状にまつわる豆知識を3つご紹介!

ここでは、知っておくと役に立つ、年賀状にまつわる豆知識をご紹介します。

1つめは、年賀状を仕分ける方の負担を減らす方法です。ポストに投函された年賀はがきは、区分機によって高速で読み取りが行われます。この区分機に通す前にはがきの上下や裏表をそろえておく必要があるのですが、大量に年賀はがきが集まる年末年始は、その作業にかかる時間も膨大です。

この負担を少しでも減らすため、複数枚の年賀状を同時に出す場合は上下・裏表をそろえ、輪ゴムでまとめて投函しましょう。なお、輪ゴムではなく紐で固く縛ったり封筒に入れたりすると、機械に通す前にひと手間かかってしまい、かえって迷惑となることもあります。

2つめは、普通はがきを年賀状として使う方法です。販売しているお年玉付き年賀はがきには、もともと「年賀」と印字されているので問題ありませんが、普通はがきを年賀状として出す場合は、赤色のボールペンで切手の下のあたりに「年賀」と書きましょう。その際、消印と重なって読みづらくなってしまわないよう、切手の真下ではなく少しスペースを空けて書いたほうが安心です。

早く投函された年賀状は一定期間郵便局で保管され、元旦に届くよう調整されます。このときに年賀状かどうかを見分けるのが、この「年賀」の文字なのです。「年賀」の表記に気がつかなかった場合は通常の郵便物として扱われ、投函日によっては元旦に間に合わなかったり、元旦より前に届いたりする可能性があるのでご注意ください。

3つめは、書き損じや余った年賀はがきの対処方法です。年賀状の住所や宛名を書き間違えてしまった場合や年賀状が余ってしまった場合は、郵便局に持ち込めば、1枚あたり5円の手数料で新しい年賀はがきなどに交換してもらうことができます。

この場合、年賀はがきの販売期間内であれば、次の中から料金が同等のものに交換してもらえます。

この場合、年賀はがきの販売期間内であれば、次の中から料金が同等のものに交換してもらえます。

  • 年賀はがきなどのくじ引番号付き郵便はがき
  • その他の郵便はがき
  • 通常切手
  • 郵便書簡
  • レターパック封筒

また、年賀はがきの販売期間終了後であっても、上記のうち、くじ引番号付き郵便はがき以外のものであれば交換してもらうことができます。書き間違えてしまったり、余ったりした年賀はがきは捨てないようにしましょう。

まとめ

新年のご挨拶である年賀状は、元旦に届いたほうが好印象に感じる人も多くいます。12月25日までに出せるのが理想ですが、もし遅れてしまった場合にも元旦に届くよう、今回ご紹介した方法を試してみてください。