上司や取引先に年賀状を送る場合、マナーや文法などが気になっている人も多いのではないでしょうか。
年賀状には基本的な構成があり、失礼とならないように気を付けるべきマナーがあります。
日ごろの感謝を伝えるために年賀状を送ったのに、マナー違反で失礼にならないよう、抑えておくべきポイントを紹介します。
具体的には、基本的な心構えやマナー、年賀状に添える一言の例文、年賀状を送っていない相手から届いた場合の対処方法についてのお話しです。
年賀状は日ごろの感謝を伝える絶好の機会と言えます。
年賀状の書き方に悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
会社の上司や取引先に送る年賀状の書き方(心構えや基本マナー)
会社の上司や取引先に送る年賀状で、気を付けるべき心構えや基本的なマナーについて解説します。
前提として「元日届く」ことが大事!
最も大事なことは年賀状が「元日に届く」ということです。
年賀状が元日に届かないと、送る相手によってはマナー違反と捉えられてしまう可能性がありますので注意が必要です。
元日に届くようにしっかりと準備をしましょう。
年賀状が元日に到着するためには、郵便局が指定する日までに年賀状を投函する必要があります。
一般的には12月25日までに投函するようにします。
日本郵便の年賀状の引受は、例年12月15日から12月25日までとなっています。
早すぎると年明け前に配達される可能性があるため注意しましょう。
上司に送る年賀状の構成
年賀状の構成はある程度決まっています。
年賀状は簡潔でまとまりのある文章となるように書くべきです。
具体的には、次の構成で年賀状を書きましょう。
●新年の挨拶、賀詞・祝詞
●旧年の感謝
●新年でのお付き合いやご支援・ご鞭撻のお願い
●相手の活躍などを祈る言葉
●新年の年号と日付
年賀状は印刷と手書きのどちらを選ぶべきか
年賀状はパソコンなどを使って印刷することもできます。
印刷と手書きはどちらが良いか迷っている人も多いのではないでしょうか。
会社の上司や取引先に年賀状を送る場合、手書きで送ることが推奨されます。
基本的には手書きで送ることがマナー
年賀状を出す相手が多いと、手書きにした場合とても大変です。
近年ではパソコンを使って印刷して送る人も増えています。
しかし、印刷だけの年賀状では温かみが感じられません。
基本的には印刷でも問題ありませんが、余白に手書きで文章を追加すると良いでしょう。
具体的には「新年でのお付き合いや支援のお願い」「旧年の感謝」といった内容を手書きすると、温かみのある年賀状になります。
手書きの場合は何を使って書くべきか
年賀状を手書きする場合、ボールペンを使用することは一般的に良くないとされています。
なぜなら、太く力強い文字は縁起が良いとされており、ボールペンで書いた細い文字は適さないからです。
手書きの際におすすめのペンは次のとおりです。
●毛筆
●筆ペン
●サインペン
●万年筆
万年筆は細い文字になると思われるかもしれませんが、万年筆は太さを変えることができます。
年配者や目上の人の中には、好んで万年筆を使う人もいますので、万年筆もおすすめです。
上司や取引先に年賀状を送る際のマナー6選
年賀状を送る際には、さまざまなマナーがあります。
その中でも気を付けるべきマナーを6つ紹介します。
色ペンは使わない
年賀状の文章は、黒く太い文字で書くことが一般的です。
特に宛名には赤色のペンを使用してはいけません。
友人に年賀状を送る場合は色ペンでも問題ありませんが、上司や取引先に送る場合は黒いペンで統一しましょう。
縦書きで書く
最近では、横書きの年賀状も増えています。
しかし、年賀状は日本の文化であり、縦書きが基本的なマナーです。
右上から左下に向かって縦書きにしましょう。
年賀状の両面とも縦書きにすることで、横書きよりも格式高く見えます。
自宅と会社で宛名は変える
上司や社長、取引先の方へ年賀状を送る場合は、その方の自宅に送るのか、会社に送るのかによって宛名を変えましょう。
たとえば、自宅に送る場合は「○○様」と個人名を宛名にします。
会社に送る場合は、「株式会社◇◇ 代表取締役社長 ○○様」と、会社名・役職・個人名を省略すること無く記載します。
家族写真は直接付き合いのある場合のみ
あなたと年賀状を送る方との間で、家族ぐるみの付き合いがあり、親しい間柄である場合は家族写真を年賀状に載せても問題ありません。
しかし、ビジネス上の付き合いだけであれば、家族写真を年賀状に使わないようにしましょう。
家族写真は、年賀状としてはカジュアルな部類に入ります。
礼儀を重んじる方からは「礼儀がない」と捉えられてしまうこともあります。
写真が付いていることで「処分に困る」という人もいるため、家族写真付きの年賀状を送る際は注意しましょう。
賀詞に注意をする
「迎春」や「賀正」といった言葉は、挨拶の略語となります。
目上の人に対しては失礼にあたりますので、「謹賀新年」や「慶賀新春」、「謹んで年頭の御祝詞を申し上げます」といった書き方にしましょう。
また、「新年あけましておめでとうございます」という言葉を使用する方も多いとは思いますが、「新年」と「あけまして」の意味が重複しており、誤った日本語になりますので注意しましょう。
【文例】上司や取引先に送る年賀状の一言メッセージ
年賀状で一言添えるメッセージの例文を紹介します。
紹介する例文を参考に、あなたなりの言葉で表現すると良いでしょう。
また、年賀状では「。」「、」といった句読点を付けないことがマナーですので、長めの文章の場合は、改行するようにしましょう。
会社の上司に送る場合の一言メッセージ
会社の上司に送る場合のメッセージ例を2つ紹介します。
上司に送る場合は、昨年の感謝と本年の抱負を伝えると良いでしょう。
旧年中は公私に渡りご親身なご指導ご鞭撻をいただき本当にありがとうございました
旧年の経験を活かし今年はご期待にこたえるべく精進する所存でおります
また、会社の先輩に年賀状を送る場合は、硬くなりすぎず、丁寧な一言を意識しましょう。
「未熟者ですが○○さんを見習いながら少しずつ成長していきたいと思っています」
「〇〇さんに1日でも早く追いつきたいので本年もビシビシご指導お願いします」
会社の社長に送る場合の一言メッセージ
会社の社長に送る場合のメッセージ例を2つ紹介します。
社長に送る場合は、社員として会社のために本年も力を尽くす旨を伝える文章が良いでしょう。
「本年も会社のご期待に添えるよう誠心誠意邁進していく所存でおります」
「本年はプロジェクトを必ず成功させるべく日々邁進してまいります」
ご無沙汰/疎遠な上司に送る場合の一言メッセージ
しばらく会っていない、疎遠となっている上司に送る場合のメッセージ例を2つ紹介します。
会えることを楽しみにしていることや、あなたの近況を伝える文章とします。
「旧年中は○○様にお会いできませんでしたが本年はお会いできることを心待ちにしております」
「しばらくお会いできておりませんがお元気でしょうか?現在私は主任として日々奮闘しております」
取引先の会社に送る場合の一言メッセージ
取引先の会社に送る場合のメッセージ例を2つ紹介します。
取引先に会社に送る場合は、昨年の感謝を伝えるとともに、本年も引き続き変わらずお付き合いしましょう、といった旨のメッセージとします。
「旧年中はひとかたならぬご高配にあずかりまして誠にありがとうございました」
「旧年中は格別のご愛顧を賜わり厚くお礼申し上げます」
「本年も御社の繁栄に寄与できるよう従業員一同尽力させて頂く所存です」
「本年も御社のご要望に精一杯お応えするべく精進する所存でございます」
年賀状を送っていない上司や取引先から届いた場合
年賀状を送っていない方から年賀状が届くと焦ってしまいます。
その場合でも、落ち着いて対処すれば問題ありません。
松の内(1月7日)を境に対処方法が異なりますので、解説していきます。
松の内(1月7日)に返信できるかで変わる対応
年賀状を送っていない上司や取引先から年賀状が届いたら必ず返信しましょう。
松の内(1月7日)までに返信ができる場合は年賀状として、松の内を過ぎてしまう場合は寒中見舞いとして返信します。
どちらの場合も、元旦までに年賀状を届けられていないため謝罪することが必要です。
謝罪も長々とするのではなく、簡潔にすることを心がけましょう。
返信をする場合の例文
年賀状として返信する場合は、通常の年賀状と同じように書きます。
その上で、年賀状が遅れてしまったことに対する謝罪を付け加えましょう。
慶賀新春
旧年中は公私にわたりご親身なご指導ご鞭撻をいただき本当にありがとうございました
本年もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます
新春の御祝詞を頂きながらご挨拶が遅れましたことをお詫び申し上げます
令和二年一月
松の内(1月7日)までに返信できず、寒中見舞いとして返信する場合は、次の例文を参考にすると良いでしょう。
同じく、年賀状が遅れてしまったことに対する謝罪は入れましょう。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年賀状を頂き有難うございます
ご挨拶が遅れしまい申し訳ございません
春とは名ばかりに厳しい寒さが続いておりますが 皆様いかがお過ごしでしょうか
厳寒の折 風邪などお召にならないようご自愛ください
今年も宜しくお願い申し上げます
令和二年一月
日ごろの感謝を伝える意味でも上司や取引先に年賀状を送りましょう
年賀状は上司や取引先の方に対して、日ごろの感謝を伝える絶好の機会です。
普段からお世話になっている方に対して、失礼とならないようにマナーを守って感謝の言葉や、新年の抱負を伝えましょう。
また、最近では虚礼廃止により年賀状を送付しない企業が増えています。
しかし、普段お世話になっている方へ、感謝の意を伝える機会はそう多くありません。
年賀状は感謝を伝える絶好の機会となりますので、ぜひ送りましょう。
※この記事の内容は、2019年10月現在のものです。
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